くんさんのアウトプット帳

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元SES営業が教える、エンジニアがSESの現場から抜ける方法

こんにちは。

Twitterで、エンジニアの人が転職しようとしてるのに、SESの現場から抜けられない、と言うのを見ました。

10年前位、SESで現場に出ていた事もあり、SES営業もやってた経験があります。※100人規模まで一人で営業してたので、かなりベテランな意見です。


その埋まってるノウハウが誰かの役に立ったらいいな、と言う事で現場撤退Tipsを書いてみます。



まず、現場から抜けられないと言われる要因は、
3つに分けられます。

1.契約の要因
一番重いのは、契約の要因です。
契約は企業間の約束事なのですが、SESエンジニアはこの内容を知らない事が多いので、営業との交渉で不利になりがちです。

契約は大体テンプレート化されるので、大体似通ってきます。

ポイントとしては、
・契約期間
・契約延長方法
です。

実は、契約期間は、大体1ヶ月契約か3ヶ月契約(四半期毎)がほとんどです。
エンド直だと1ヶ月、SIerさんのアンダーだと3ヶ月が多い印象です。景況感によっても左右されまして不景気になると1ヶ月になります。なので今だと3ヶ月が多いかもしれませんね。

延長方法が特殊でして、期間満了の1ヶ月前に申し出がない限り、自動延長になります。
なので申し出ない限り、ズルズル行く事があるあるです。

この時点で、申し出から単月契約なら2ヶ月。3ヶ月契約なら4ヶ月、現場撤退までかかることになります。

ちなみに、3ヶ月契約は、途中で契約変更を申し出れば、大体変更受理もできます。
一旦契約してしまった後に申し出ると、今の契約を破棄して契約期間を変更し、再契約し直すので、事務的な手続きが増え、ちょっぴり面接臭がられますけど、ダメってことではないです。

3ヶ月契約なら、
四半期毎になるので1月、4月、7月、10月が契約更新になります。その1ヶ月以上前の11月末、2月末、5月末、8月末が契約切れ目チャンスと言えます。

まずは、自身の契約期間について聞けば教えてもらえる筈ですので把握しましょう。
単価はピンハネ率バレるのが怖いようで教えてもらえない事が多いので、契約内容教えて、と聞くと教えてもらえないかもです。
あくまで契約期間のみを聞いてみましょう。

※私はプロパーしか営業してなかったので、
契約内容はフルオープンにしてました。
カルチャーによって、教えてくれやすさはありそうです。



2.取引関係要因

次に重いのは、取引関係要因です。

この要因は、その取引先の取引ボリュームに関係します。

契約の切れ目であることと、プロジェクトの切れ目が一致するわけではありません。
なので、
現場的には、今抜けられると困る!と言う場面もあり、引き留め交渉が入ります。

この引き留め交渉において、そのクライアントとの取引ボリュームが多い場合、営業はその人の言うこと聞きたくなり、エンジニアにネゴりにいきます。


クライアントに嫌われたくない度合が、取引ボリュームが大きいと増すんですよね。そのクライアントから嫌われて取引無くなったらどうしよう?的な強迫観念が出ます。
クライアントの満足度をあげることで追加要員の引き合いを貰う仕事でもありますし。


ただ、私の経験上、撤退で取引無くなった事は一回も無いです。。
雰囲気だけものすごい頑張って引き留めたんだよ風をクライアントに出して、頑張ってくれてありがとうって思われれば、丸く収まります!
結局、関係性は営業の腕次第ですよ。
クライアントも、SES契約や派遣契約してる時点で
いつかは撤退されるのも承知の上なのですから。


あと撤退交渉時、営業がよく言われるのが、「代替要員出して」と言われがちです。
この恐怖のワードのせいで、
代替要員を見つけられないと、撤退できないと営業は思いがちです。

でも、大丈夫。
私は代替要員見つけてきた事なんて、一度もありません。
そんな契約結んでないので、実はmustじゃないんですよ。努力目標的なやつです。
別に罰金とか取引停止とか無いですもん。


ただ、自社の売上の半分とか依存してるビッグクライアントだったり、商流の無い直契約とかだと、相手の言いなりになっていそうです。

まずは、今のクライアントとの取引の歴史や、何人入ってるか?をそれとなく聞いておくと、撤退の難易度が推測できると思います。
2の要因は契約では無いので、ホントは撤退できるんですが、営業にめっちゃ嫌がられるので、まずは撤退を早めに匂わせながら、契約期間を短くしておくと良いでしょう。


3.個人的感情
完全なエゴによる営業の感情で撤退させない時があります。これに付き合うのはアホみたいです。


例えば、滅茶苦茶苦労して開拓したクライアントなのにー!とか。

取引ボリュームがあるなら、会社業績に影響度を考えると、まだ考えてもよさそうですが、
新規取引だったり、自分一人しか入ってなかったり、商流が深かったりならば、別に抜けて良いですので、契約期間に倣ってドライに営業ごと切り捨てて良いです。

このパターンは社会悪を感じますし、エンジニアの味方ではないオレオレ営業。
若手や営業経験の浅い人でオラついてる営業だと、このパターン結構いるイメージありますね。
ベテラン営業さんだとこのパターンは、無いです。現場撤退なんて日常茶飯事。当たり前のこと。







要因パターンを把握できましたでしょうか?

これらを分かった上で、撤退しやすくするには、
自社の営業にこの情報を伝えましょう。



「プロジェクトも落ち着いたので、(1,
2ヶ月以上先の)◯月末のタイミングだと撤退を申し出やすいですよ」



要は、
契約更新タイミング1ヶ月以上前に、伝えることで
パターン1を解決し、
撤退を申し出ても現場から怒られないタイミングを教える事で、
パターン2を解決し、
安心して営業も撤退を申し出れて、ネゴもされづらいと言うことです。

契約期間が掴めてないなら2月前が目安ですかね。


落ち着く、っていつやねん?
と思ったら、忙しくは無いって時で良いです。


営業が滅茶苦茶怒られるときは、リリース前の佳境とかのタイミングで、現場から抜けると申し出る時ですもの。
営業が現場見てなかったりするの多いので、さすがにこのタイミングヤバいって時以外だったら大丈夫です。




まあ、まずは、営業に撤退を伝える前に、情報武装しておけると何かと優位ですので、
日頃からコミュニケーションしながら情報収集しておくのがオススメです。

基本的には契約更新1ヶ月前であれば、撤退出来ない訳が無いので、どの辺がボトルネックになって現場撤退できないのかを把握し、対策を練ってみましょう。
営業に押されても簡単に飲まないようにしてくださいね。


ちなみに、現場撤退決定したら、撤退日1ヶ月前位から、次の案件を営業が探す事になるので、退職申し出は早いに越したことは無いですよ。
転職迷ってても早めに切り出す位がちょうど良いです。

ではでは。